仮想通貨を始めたいと思い、調べていくと「販売所」「取引所」ってワードが必ず目につくと思います。
何となく「仮想通貨のやり取りする場所でしょ?」というイメージは湧くと思いますが具体的にどういう違いがあるかまではわかりませんよね。
今回は「販売所」と「取引所」の違いをわかりやすく、なるべくシンプルに説明していきたいと思います
また、どちらを使って取引するのがいいか、それぞれのメリットデメリットを踏まえた上で解説していきたいと思います。
結論:長く取引をするなら「取引所」一択
「取引所」一択です。100人に聞いたら100人が同じ答えを出すレベルで「取引所」です。
「販売所」はとにかく手数料が高い
「経験として一回だけ買ってみる。」とか「手数料なんて気にしないわ。」って考えでしたら「販売所」でも全然OKだと思います。
ですが、極力投資を抑えてこの先も取引を続けていくことを視野に入れているのであれば「取引所」を使っていくことをオススメします。
「販売所」や「取引所」を利用するには?
まず仮想通貨を購入するには暗号資産登録業者(仮想通貨取引所)にアカウント登録して口座開設をする必要があります。
最近CMでもよく見る「Coincheck」「bitFlyer」「GMOコイン」などがそれにあたります。
登録は簡単で、PCはもちろんスマホからも登録できます。簡単な個人情報を入力して本人確認書類を提出し、審査に通れば登録(口座開設)完了です。
あとは開設した取引所の口座に日本円を入金すれば実際に仮想通貨の取引が可能となります。
登録は無料で、申請は10分もあればできてしまうので、興味のある方は登録だけでもしておくのもいいかもしれません。
取引所にもよりますが、早ければ即日に利用も可能です。
「Coincheck」や「bitFlyer」での口座開設を考えている方は下記の記事を参考にしてみてください
販売所と取引所の違い①:「取引相手」
「販売所」と「取引所」では取引する相手が変わってきます。
「販売所」では仮想通貨取引所を相手にするのに対し、「取引所」ではユーザー同士(個人間)で取引をします。
販売所と取引所の違い②:「手数料」
仮想通貨の取引には切っても切れない手数料。この手数料が、仮想通貨を販売所で取引するか、取引所で取引するかで大きく変わってきます。
皆さんが普段使っている日本の銀行でも手数料がかかるように、仮想通貨でも同じように手数料がかかります。
まず最初にどのタイミングで手数料が発生するのか、そのタイミングと種類を見ていきましょう!
仮想通貨取引の手数料の種類と発生するタイミング
- 取引所手数料
- 販売所手数料
- 日本円の入金・出金手数料
- 仮想通貨の送金手数料
- スプレッド
- 取引所手数料
取引所で仮想通貨を取引する時にかかる手数料。
- 販売所手数料
販売所で仮想通貨を取引する時にかかる手数料。
- 入金・出金手数料
日本円を仮想通貨取引所の専用の口座に入金または出金する時にかかる手数料。
- 仮想通貨の送金手数料
仮想通貨を別の取引所に送金したり、メタマスクと呼ばれる仮想通貨を保管するウォレットに移した時にかかる手数料。
- スプレッド
販売所で仮想通貨の取引をする時にかかる手数料。仮想通貨の購入価格と売却価格の差額のこと。
詳しくは下記の項目で説明します。
上記でまとめた手数料は仮想通貨取引所によってかかる金額が違い、メリットデメリットも様々で特徴が異なります。自分がどこに一番重きを置くかで取引所の選び方も変わってきます。
仮想通貨取引所ごとの手数料比較
参考までに主な取引所の手数料をまとめてみました。
仮想通貨取引所 | Coincheck | bitFlyer | DMM Bitcoin | GMOコイン | bitbank | BITPOINT | Huobi |
---|---|---|---|---|---|---|---|
取引所手数料 | 無料 | 0.01〜0.15% | ー | メイカー -0.01% テイカー 0.05% | メイカー -0.02% テイカー 0.12% | 無料 | 【BTCの場合】 メイカー 0.008~0.100% テイカー 0.024~0.100% |
販売所手数料 | ※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料※別途スプレッドがあります | 無料
入金手数料 | 【銀行振込】 無料 (振込手数料は負担) 【コンビニ入金】 3万円未満 770円 3万円〜30万円 1,018円 【クイック入金】 3万円未満 770円 3万円〜50万円 1,018円 50万円以上 入金額×0.11%+495円 | 【銀行振込】 無料 (振込手数料は負担) 【コンビニ入金】 330円 【クイック入金】 住信SBIネット銀行 無料 住信SBIネット銀行以外 330円 | (振込手数料は負担) | 無料(振込手数料は負担) | 無料(振込手数料は負担) | 無料(振込手数料は負担) | 無料(振込手数料は負担) | 無料
出金手数料 | 407円 | 【三井住友銀行宛】 3万円未満:220円 3万円以上:440円 【三井住友銀行以外宛】 3万円未満:550円 3万円以上:770円 | 無料 | 無料 | 3万円未満:550円 3万円以上:770円 | 無料 | 330円 |
送金手数料 | 0.0005BTC | 0.0004BTC | 無料 | 無料 | 0.0006BTC | 無料 | 0.0005BTC |
これだけ見ると、各種手数料が全て無料の「BITPOINT」がすごく魅力的に見えますよね!
とにかく「安く取り引きがしたい!」と手数料を重視している方にはマッチしている取引所と言えます。
ですが取引所を選ぶポイントは手数料だけではなく、取り扱っている仮想通貨の銘柄の数やレバレッジ取引ができるかどうかなど、取引所ごとに特徴が異なるので自分に合った取引所を選日ましょう
メイカー(Maker)とは?
取引版に新しく注文を出すことで、取引版に流動性を提供する注文をいいます。
一般的にメイカー注文をした段階では約定されずに、自分の注文に対して誰かがテイカーとして注文してきた時に約定します。
テイカー(Taker)とは?
既に取引版に並んでいる注文を約定させる注文を言います。
メイカー注文とは逆でテイカー注文は注文した瞬間に約定します。
取引版の流動性を作るのがメイカー、流動性を奪うのがテイカーと覚えておくといいと思います
レバレッジ取引とは?
レバレッジは「てこの原理」という意味で、証拠金を口座に預けてそれを担保にして証拠金の何倍もの金額で取引する事をレバレッジ取引と言います。
例えばレバレッジ2倍の取引所の場合、証拠金100万円で200万円分の取引が可能となります。
仮想通貨におけるスプレッドとは?
直訳すると、スプレッド(spread)=「広がり」になります。
仮想通貨におけるスプレッドは「購入価格と売却価格の差額」を言います。
スプレッドは販売所のみで発生し、取引所では取引手数料が発生します。
ではなぜ販売所ではスプレッドが発生するのでしょうか?
理由は単純明快、販売所がコインを高く売って安く買い取ることで利益を得ているからです。
取引所ではユーザー同士が売買するため、お互いの言い値が合った時に売買が成立します。
そのためスプレッドは発生しません。
では実際にスプレッドの例をみていきましょう。
下の画像はコインチェックで1BTCの購入額と売却額の画像です。
上の画像を見ると購入価格が3,139,520円なのに対して売却価格が2,952,400円なっています。
この購入価格から売却価格を引いた金額がスプレッドになります。
計算してみると・・・
3,139,520ー2952400=187,120円
となります。1BTCを購入すると187,120円も取られてしまいます。。。
スプレッドは販売所のみで発生し、常に変動しています。なので上の例よりもスプレッドの幅が大きい時もあれば小さい時もあるということです。
もちろんどうせ買うならスプレッドの幅が小さい時に買いたいですよね?
それではスプレッドが大きく変動する時とはどういう時なのかみていきましょう。
- 価格変動が大きい時 ➡︎ 仮想通貨の価格が暴騰や急落した時
- 流動性が低い時 ➡︎ 買い注文と売り注文(取引量)が少ない時
上の二つが発生している時期はスプレッドの幅が広がりやすくなります。逆を言えば、価格変動が小さく、取引量が多い時はスプレッドも安定していると言えます。
また、通貨の種類によってもスプレッドは変わってきます。
例えば、アルトコインはビットコインに比べて取引量が少ないこともあり、スプレッドが広がりやすい傾向にあります。
アルトコインの中でも取引量の多い通貨と少ない通貨ではスプレッドの広がりが変わってきます。
スプレッドは常に価格変動や流動性により変動しています。
スプレッドの幅が広い時期は取引を控えたり、取引量の多い別の通貨を選んで取引するなどして自分でコントロールしながら上手に取引していくことが大切です。
販売所と取引所の違い③:「取り扱い銘柄数」
仮想通貨は2022年現在、6,600種類以上の銘柄が存在しています。
その中でも日本の仮想通貨取引所で取引できる通貨が限られています。
さらに仮想通貨取引所ごとに取り扱っている銘柄数も異なり、それぞれ販売所と取引所で取引できる銘柄も変わってきます。
ビットコインや、アルトコインのイーサリアムなどの人気のある銘柄はほとんどの取引所が取り扱っています。その他のアルトコインは取引所ごとに取り扱っている銘柄は様々なので、取引所を選ぶポイントの一つとして取り扱い銘柄を調べておくことも必要になります。
主な取引所の取り扱い銘柄数をまとめてみました。(現物取引のみ)
取り扱い銘柄数が多いと選択肢が増えるので取引の幅も増えますよね!
特に手数料の安い取引所での銘柄数と種類は取引所選びの一つのポイントにもなるので確認しておきましょう。
あとは取引に慣れてきたら、一つの取引所だけで運用するのではなく取引したい銘柄に分けて複数の取引所を使って運用するのもいいと思います。
またレバレッジ取引にも取引できる銘柄がそれぞれ変わってくるので、レバレッジ取引を視野に入れている方は口座開設をする前に確認しておくことをオススメします
「販売所」と「取引所」のメリットデメリット
ここまでは取引相手や手数料、銘柄数の違いを見てきました。
ここでは販売所と取引所のメリットデメリットをそれぞれ見ていこうと思います。
仮想通貨販売所のメリットデメリット
- 取引したい時にすぐ取引ができる
- 取引が簡単で初心者にオススメ
まず販売所の特徴としてその場ですぐ取引ができるというメリットがあります。
販売所は、仮想通貨取引所が値段を決めているため、売買したい時にすぐ取引ができます。
また、「買う」「売る」などの簡単なボタン操作一つで取引ができるのも大きな特徴です。
取引の専門知識や操作を必要とせず、仮想通貨の取引を初めてする方でもAmazonなどのECサイトで買い物をする感覚で売買できるため初心者にオススメといえます。
- 取引所に比べて手数料が高い
やはり仮想通貨販売所のデメリットは、先に説明したようにスプレッド手数料が高いことです。
販売所では利益を得るために、実際の価格よりも高く売られ、売る際は安く設定されています。
少額の取引では気にならないかもしれませんが、長い目で見ると多くの取引回数で大きな金額になっていて、手数料だけで数万円の損をしているかもしれません。
仮想通貨取引所のメリットデメリット
- 販売所に比べて手数料が安い
- 成行注文・指値注文ができる
取引所は販売所と違い、ユーザー同士での取引になるためスプレッドもほぼ発生しません。
あとは「成行注文」「指値注文」ができるのも取引所の大きなメリットと言えます。
自分の希望の価格で仮想通貨を売買することができます。
- 成行注文 ➡︎ 売買の値段を指定せずに、その時の市場価格で注文する方法
- 指値注文 ➡︎ 買う値段か売る値段のどちらかを指定して注文する方法
詳しくはCoincheckで説明してくれています。
- 取り扱っている銘柄が少ない
- 取引が成立しない時がある
- 初心者には少し難しい
取引所は販売所に比べて、取り扱い通貨が少ない傾向にあります。特にアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)に関しては取引所ごとに取り扱っている通貨が様々なので確認が必要です。
また指値注文した時に取引が成立しない場合があります。自分が指定した価格で取引したいユーザーがいなければ取引は成立しません。
取引所はユーザー同士の取引となるため、板情報を読み取る力も必要になります。成行注文と指値注文を使いながらうまく運用していく必要があるため初心者には少しハードルが高いと言えます。
販売所を使うにも取引所を使うにもメリットデメリットはありますが、販売所を利用するのは慣れるまでの最初の数回だけにして、最終的には取引所を使って取引していくようにしましょう。
無駄な手数料できる限りを抑えて利益を出していきましょう!
まとめ:最初は販売所でOK!慣れたら取引所を使おう!
販売所と取引所のメリットデメリットが、ある程度お分かりいただけたと思います。
結論としては、仮想通貨取引を長く続けていくなら取引所一択です。
やっぱり販売所は手数料が高すぎる。。。
とはいえ、どちらがいい(合う)かは人それぞれ違うと思うので自分のスタイルに合わせて使い方を選ぶのがいいかと思います。
自分の懐事情と相談し、無理のない範囲で取引を楽しみましょう!